前回の続きです。
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成田空港から飛行機に乗ること約12時間、
いよいよ東ベルリンに到着です。
ちなみに、到着したその日に日本は、『平成』になりました。
だからつるちゃんの中では、『平成』というのはイマイチ
ピンと来ないですね。頭の中は、いまだに『昭和』。
テケ・テン・テン。
それはさておき、
東ベルリンに着いた日のこと、今でもはっきり覚えています。
前の年の夏休みに、やはり旧東ドイツのワイマールというところで、
ピアノの講習会があったので数週間滞在し、社会主義国の様子
は少しは知っていましたが、住む となればまた感覚は全然違います。
1月だから寒いのは当然といえば当然ですが、なにかが違うのです。
“首都なのに人がいない!”
これでしょう。
簡単に言えば。
首都といえば東京ぐらいしか知らなかったつるちゃんには、
この東ベルリンはとても異様でした。
それに、ただの学生なのに、空港に着けば、ボディーガードも
バッチリです。
当時、日本のような資本主義社会からのお客様は特別扱い
だったんですよねえ。
お金を落としてくれると思っているのか、はたまた、
警戒されていたのか。。。?
最初に泊まったホテルは空港の近くの、国営ホテルとかいうもの。
あたりの照明も暗く、もちろん広告ネオンなんてなし。
社会主義は広告がない国でもあります。国のプロパガンダ以外は。
監視の目がギラギラ光っている、というのが肌に突き刺さってくる感じ。
おお、東ドイツに来たんだ、身が引き締まったような気がしました。
あれから人が変わったかも。なんちゃって
ホテルの部屋に目を戻せば、飾りの か の字もない、ぶきっちょな家具。
聞けば、全東ドイツはこの規格品で統一されているとか。
だから東ベルリンで見たこのホテルの家具は、つるちゃんの住んでいた
アパートの部屋にもありました。
でも、バリバリの日本という、資本主義社会でそれまで育った
つるちゃんにとっては、すべてがものめずらしく、
けっこう楽しかったような気がします。最初のうちは。
しかし…
このあとは次回へ。
では。