ピアノを弾いていると、
作曲家と思われる人物が見える。

ちょっと前までは、エッセイの文章が出てきていたけど、
このごろは、
映像が出てくるようになった。

何の映像かというと、
そのときに弾いている作曲家。

特に、
シューマンを弾いているときは
はっきりと見える。

シューマンがソファに座っているのだ。

聴いてるんだか聴いてないんだか、
あっちを見たり、こっちを見たり。

でも
顔にはいつも微笑がある。

それとは裏腹に、
ショパン。

出てくることは出てくるんだが、
冷たい。

つるちゃんをじっと見続けて、
二コリともしない。

出てくるだけいいことにするか。

この人物たち、
出てくると妙に安心して弾ける。

ピアノを離れて、あとから思い出すと、
いったいアレは何だったんだろうと
少しだけ気味が悪い。