この間、スイスアルプスでスキーをしてきた。
つるちゃんのことを(とりわけ学生時代の)よく知る人ならば、
つるちゃんのスポーツレベルにおいて、
スキー場にスキーの格好をして立っていることに驚くであろう。
ここだけの話だが、学生時代、一度だけスキーをしたとき、
曲がるということができなかったために、小屋に突っ込み、壊してしまったことがある。
それ以来、スキーは敬遠していたのだが、四半世紀も過ぎて過去の傷も癒え、
しかしやはり基礎は大事ということで、個人レッスンを受けてみた。
とても優しい先生で、スイスイと(スイスだし!?)中級コースまでいき、
2000メートル下まで一度も転ばずに滑ることができた。先生のおかげなこと、間違いない。
ほめられて図に乗って、才能あるかも、などと本気で思ってしまうところ、イタいところだ。
今回はアイガー、ユングフラウ山を背景に、「アイガーの北壁」というレストランで食事をしたが、
次回はぜひ、「アイガーの北壁」行きのリフトがあったのでそれに乗って、最難関のコースを滑ってみたい。
家に帰って、早速、スキー用品一式を調達した。
気が付いたら3時間が経っていたということがある。
スーパーで買い物をしたら砂糖が置いていないので、
いつ入荷するのかと聞いたら、一週間後だと言われたりもした。
何をするにも時間のかかり方がハンパなかった。
でもその代償として、市電を待っている3時間ものあいだ、
近くの人と会話をして友達になったり、
砂糖の代わりに蜂蜜を代用したらうまくいって、
嬉しかった記憶がある。
それから20数年の時が経ち、世の中は超スピード社会。
インターネットが世の中を牛耳っている。
パソコンの前に座り、図書館に行かずとも、世界中の図書館
から本や古い文献を手に入れることができるし、
スーパーに行かずとも、世界中の砂糖が瞬時に画面に陳列されて
クリックすれば次の日には手に入れられる。
しかしオンラインの図書館もスーパーも、
検索が2,3秒で終わらないとイライラする。
うまくつながらずもう一回最初からやり直す事態になれば、
目を三角にして舌打ちしている自分がいる。
“やり直し”を命じたオンラインにイラつき、翌日に本やお砂糖を
手に入れてもあまり幸福感が得られない。
今の方が待ち時間、ずっと少ないはずなのになあ。
元旦に、今年はたまりにたまっているエッセイをアップしていこうと意気込んだ。
そして1月2日。お弾き初め、ならぬ お打ち初めをパソコンでしようと起動させた。
しかし。
何度ボタンを押しても画面は真っ黒。
停電なのかと思い、調べるも、どこも異常はないようだ。
パソコンだけが変なのだ。
次の日になればとの期待も虚しく、時は流れた。
途方に暮れてもしょうがないので、新しいパソコンを買った。
設定するのにこれまた大仕事。
でもバックアップはしてあったので、それをインスト−ルすればいいはずだった。
しかし、、、、
Windows 8 とかいうものは、やたらに広告が入ってくるようで、捨てればいいものを
ご丁寧に全部開けていた。
そうしたら、なんとこれらはウイルスいっぱいのサイトだったのだ!!!!!
やられた。
ウイルスはたちまち買ったばかりのパソコンに潜み、まるでネコ蚤のように増えた。
このブログサイトも開けられないほどになった。
そしてウイルス駆除にまたもや莫大な時間がかかった。
やっとウイルスもおとなしくなり、バックアップしたものをインスト−ルしようと思った。
あれ?
項目は出てくるのに中身が入っていない。
そんなバカな。。。。。。。。。
たまりにたまった300こ以上のエッセイは無残にもバックアップされていなかった。
まぼろしに消えた。
+_+
まるで悪夢なのだが、エッセイなどもう書くなということなのだと思うことにした。
旅にでも出るかな。
『督促状』の文字に背筋が一瞬凍った。
日本語が読めなければ、こんな体の反応はないんだろうな、などと
ヘンに客観視している自分がいるのに驚きながらも中身を確認すると、
固定資産税の納税督促状であった。
あーはー、固定資産税なら、この間、銀行振り落としにしたから、これは市役所の手違い。
教えてあげましょう、と早速市役所に電話した。
担当の方、存じ上げていなかったのだが、鶴田です、って言ったら、
ああ、ピアニストの鶴田さんですよね?と言われた。
鶴田ってあまりない名前だから、良くも悪くも目立ってしまう。
督促状、イコール、鶴田ってイメージがその担当の方にこびりついたら、いやだなあ。
だもんで、少し緊張しながらも、銀行引き落としにした旨を説明すると、
「そのようにはなっておりません。」とのこと。
えええ!(青天の霹靂)
「この前市役所に行って書き込んだんですけど。」
と言うと、
「書き込んだだけではダメで、銀行でその手続きをしていただかないとですね…。」
「そうなんですか、あはは。」
と笑ってみたものの、
ホントは鶴田さん、払ってなくて、苦し紛れにこんな電話してきたんじゃないの?と思われてたかもしれないなあ。
ほんとに知らなかったんだから。
そこは横浜。
ホテルはランドマークタワーの64階。
スイートルームに宿泊だ。
すぐにドアマン(?)がやって来て、
ドアを開けてくれた。
さすが高級ホテル、気分が良い。
でも、タクシー代を払うのに、
荷物からちょっと気をそらしてしまった。
後ろのトランクには、お菓子の袋があった。
お菓子の袋、それはスーパーのレジ袋。
いつどこでもすぐにたくさんお菓子を食べられるようにと、最大サイズ。
それにそのレジ袋は、
数日間の北海道旅行をともにしていて、
相当にイカれていた。
颯爽とタクシーを降りたんだが…。
荷物の方を見たら、
お菓子の袋が上のフックにかけてあって、
ブ〜ラブラとマヌケに揺れていた。
気のせいかもしれないけど、ホテルのお客さん、
そのイカれたお菓子の袋を見たあと、
持ち主の私に視線を移した。
そのままブ〜ラブラとお菓子の袋はスイートルームに向かって行った。
仕方がないので私もブ〜ラブラと後ろから付いていった。
次の接続の飛行機に乗れず、一泊するハメに。
久々にアムステルダム見学もいいかな、とか考えていたら、
アムステルダムとは名ばかりの、
つーか、
ほとんど空港から出ていないような、だだっ広い敷地内に立つ
ホテルに泊まらされることに。
トランクは空港から出られないようで、ほんと、身ひとつ(まあ、
ハンドバッグはあるけど)の状態。
たんまりとアメニティグッズはいただいたのだが、肝心の
コンタクトレンズの洗浄液がないのが痛い。
翌日にレンズを洗わずに装着ともいかず、ボーっとしたまま
ドイツ行きの飛行機に乗ることになりそう。
このまま何事もなくドイツに着けばいいと願うのみ。
しかし身ひとつだから、なんたってヒマ。
なので、名ばかりのアムステルダムのホテルよりブログを書いてみた。
それも記念にいいか。
夏と言ったら海。
つるちゃんは、高い波で泳ぐのが大好き。
日焼けもなんのその、先週イタリアの海で泳いだ。
高い波に恵まれ(!?)楽しかったんだが、
波が勢いよく耳に当たったのか、それ以来ずう〜っと、
右の耳がおかしい。
なんか、耳の中が空っぽになっている感じ。
つるちゃんのなけなしの脳みそが
波にさらわれてしまったかなあ。
ピアノ弾きとして、耳は大事かもしれないので、
耳鼻科に行ってみた。
行く前に “にんにくのスープ” なるものを
飲んでいったためか、待合室で一緒に行った知人に、
「うわあ、何食べたの? にんにく臭い!!!」
と言われた。
そのにおい、強烈だったらしいので、
治療の前に耳鼻科の先生に、
「さっきにんにくを食べたので、すいません。」
と謝っておいた。
この耳鼻科の先生は、以前つるちゃんを
コンサートに推薦してくれた、ありがたい方でもある。
ジェントルマンなその先生は、
「大丈夫ですよ。全然気にならないですよ。」
とおっしゃった。
治療が始まり、耳を見たりなんかして、
「では口をあけてください。」
とのこと。
“なんで歯医者じゃないのに口を開けるんだろう?”
と思ったが、その時にんにくを食べてきたのをすっかり忘れて、
口をあ〜〜〜〜んと開けた。
とたんに先生の顔の表情がこわばった(ような気がした)。
そこでにんにくを食べたのを思い出したけど、
もはや、あとの祭り。
そのあと別の部屋で聴覚検査なんかをして、
最後に結果を聞きに再び先生の部屋に入ったら…。
<<< すべての窓が全開だった。 >>>
ジェントルマンな先生、やっぱり大丈夫じゃなかったのね。
請求書に“消臭代”が加算されていました。
っていうのはまったくの本当、
じゃない話。
ちゃんちゃん。
近くの学校など、明日の月曜日は2時間ほど休講になるそうだ。
サッカーの試合が前日の夜の9時からのため、生徒が寝不足に
ならないようにするための校長先生の計らいだそうで…。
まあ、この間の準決勝であの歴史に残るような試合を見せ付けられたら、
今日の決勝、ドイツに期待がかかるのは当然か。
知人からメールが来た。
終わりにこんな写真がついていた。
ドイツの磨き抜かれたナイフとフォークで、アルゼンチンに喰らいつくという構図かな。
アルゼンチンのステーキはとろけるぐらい柔らかいのだそうだから、
食べ応えはありそうだ。
それにしてもすごい発想の写真だ。
それは、
『渋滞の緩和』ならびに
『レストランの快適さ』。
なんでかって、
みんなテレビでサッカーを観ているから。
ただし、これが有効なのは、
渋滞に関しては、
試合の前、および試合中。
そしてレストランには、
テレビがないこと。
テレビがあるレストランはまさに、黒山の人だかり。
歓声でとても落ち着いて食べられたものではない。
そして試合が終われば、まるで
アリの巣をつついた時のように
うじゃうじゃと、人が 車が 外に出てくる。
勝利しようものならば、にわかナショナリストに
拍車がかかって、おそろしや〜〜〜。
あさっての金曜日はドイツ対フランス戦。
こちらの時間で午後6時から試合が開始なのだそうだが、
つるちゃんも戦略をしっかりと立てているところだ。
(レストラン、何時に予約しようかな。)
作曲家と思われる人物が見える。
ちょっと前までは、エッセイの文章が出てきていたけど、
このごろは、
映像が出てくるようになった。
何の映像かというと、
そのときに弾いている作曲家。
特に、
シューマンを弾いているときは
はっきりと見える。
シューマンがソファに座っているのだ。
聴いてるんだか聴いてないんだか、
あっちを見たり、こっちを見たり。
でも
顔にはいつも微笑がある。
それとは裏腹に、
ショパン。
出てくることは出てくるんだが、
冷たい。
つるちゃんをじっと見続けて、
二コリともしない。
出てくるだけいいことにするか。
この人物たち、
出てくると妙に安心して弾ける。
ピアノを離れて、あとから思い出すと、
いったいアレは何だったんだろうと
少しだけ気味が悪い。
いろんな人からいろんなものをいただく。
ギリシャでは、あなたにぴったりな曲集!
って言われてもらった、
パロデイ曲集の楽譜。
12年前にローマでもらったのは、
なんとレモンの木。
一度枯れそうになったんだけど
つるちゃんの念力で!?
立ち直らせた。
そして、
去年からなぜか花をつけるようになった。
桃栗3年 レモン12年
ゴロがいまいちだけど、まあいいか。
花が付けば、あとは
レモンになるのを待つだけ。
待ちました。
長かった〜〜〜。
そして、いざ、食卓へ。
サラダにかけるんだあ、と
いざ、レモンを切ってみると…
それは
まるで
レンコン。。。
あはー。
どんなに絞ってみても、
一滴もレモンのしずくは落ちてきませんでした。
採れたてレモンが食卓にのっているということで
うれしかったことにする。
電動ハブラシ(っていうのかな)のブラシの部分だけね。
つるちゃんは何でもまとめ買いが好きだ。
"大人買い"っていうんだそうだ。
ネットでさがしたらなんと、160本入り、というのを見つけた。
瞬時に計算ができないのがナンだが、絶対お買い得に違いない!
早速注文した。
しかし次の日、販売者からメールが…。
お客様ご注文の160本入りハブラシというのは入力ミスで、
正確には16本でした、ゴメンナサイ。
というもの。
瞬時に計算できなくてナンだが、お買い得感は消滅した。
でも、注文取消しに面倒くさそうなことを書いてきているし、
そのまま注文を続行することにした。
これって16本入りのお買い得ではないハブラシを売る、
サギ的方法なのではないかと思えてきた。
その販売者は他に、“120本入り”のハブラシも出しているのだが、
これは注文するとどうなるんだろうか? とやってみたくなっている自分がいる。
鶴田美奈子
Minako Tsuruta
ピアニスト&チェンバロ奏者。
宮城県塩竃市に生まれ、当時まだ社会主義国であった東ドイツに単身留学し、ドレスデン音楽大学大学院でピアノを学ぶ。
東ドイツ滞在時には「ベルリンの壁」崩壊に
遭遇。
その後旧西ドイツ側の都市、フライブルクに移り、フライブルク音楽大学大学院でチェンバロなどの鍵盤古楽器を学ぶ。
ピアノと古楽器すべての演奏が可能で、レパートリーは、 ルネッサンスから現代までの広範囲にわたる。
現在は、ライブ演奏と自ら編集した画像とを
組み合わせる『画(え)になるクラシック』を展開。
曲の性格に沿った画像での公演はもちろん、
歴史・人物・風景を画像でたどったり、ステージ上でアーティストが鶴田のライブ演奏に合わせて画を描くなどという斬新な公演も行っている。
そのほか、毎年行っているバッハの超大曲
『ゴールドベルク変奏曲』の全曲演奏、宮城県塩竃市の方言を使用した、ナレーション付き音楽の編曲や、自ら執筆したエッセイを演奏の中に組み入れる『 ピアノとエッセイ Two in One 』、また、仏レジオンドヌール勲章受章の画伯、松井守男氏のオリジナル絵画をバックに共演など、従来のクラシック演奏家の概念にとらわれない様々なアイデアで活動を展開。独特のイベントスタイルでファンを獲得している。
上記の東ドイツでの留学体験は、2015年春に発売の小説「革命前夜」(須賀しのぶ著、文藝春秋社)の中で使用されている。
CDは世界初録音曲(CPEバッハ)を含む曲など、ピアノ、チェンバロそれぞれで、ナクソス他から発売されている。
執筆活動にも力を入れ、ピアノの月刊誌『レッスンの友』(レッスンの友社)でドイツ料理レシピ付きエッセイ、河北新報紙上などでコラムを連載。現在は塩竈市生涯教育センターWAY誌上で隔月でレシピ付きエッセイを執筆中。
2010年より、「しおがま文化大使」を務めている。
ドイツ在住。